PROJECT STORY
#01 プロジェクトストーリー

真に意味のあるソリューションで成功に導いた基幹システムの導入コンサルティング

背景
船舶艤装品メーカーのお客様は、業務拡大を目指すために基幹システム(ERP)の導入を検討しており、業務分析や導入計画の策定をご依頼頂いた。
特徴
業種: 船舶艤装品メーカー
規模: 中規模
領域: 基幹システム導入コンサルティング(システム化企画)
期間: 2年
ポイント
お客様にとっては初めてのパッケージ基幹系システム導入となるため、現状業務分析を精緻に行い、パッケージアプローチが適用できるかを慎重に見極める必要があった。

業務分析の結果、業務の属人化の度合いが激しく、情報化未整備領域が多いこともあり、いきなりERPパッケージ導入は困難と判断。 パッケージ導入に固執せず、先ずは個別業務を整理し、段階的な情報化を行うソリューションに変更した。
船舶艤装品メーカーと海外進出の視野も入れた打合せ

情報化未整備がもたらす問題が山積み

船舶艤装品メーカーのM社は、海外進出(マーケット及び生産拠点)も視野にいれた業務拡大を目指していたが、情報化が未整備で属人的なノウハウに頼った業務を行っており、現有人員で規模拡大を行うことに限界が来ていた。業務は基本的に紙ベースで行っており、情報流が整理されておらず、同じような情報を個別にExcelに入力しており、情報の横連携が取れていないため、部署/個人間で重複業務が多数存在していた。

情報共有がなされていないことにより、日常的に電話による確認業務も多発しており、社員の業務負荷はピークに達していた。会計情報も自計化できていなかったため、財務会計情報自体、数ヶ月遅れでしか把握できておらず、タイムリーな経営判断を行うことが困難な状況であった。

また、案件ごとの見積・原価管理がどんぶり勘定になっており、適正な原価管理も十分に行うことができていなかった。これらの問題を解決するべく、基幹系システムとしてERPの導入をベンダーと検討していたが、導入計画のマスタープラン策定が必要であったため、ビジネステクノクラフツ(以下BTC)にご依頼頂いた。
真の課題解決へ導くためのマスタープラン策定

業務分析の結果、見えてきた理想との乖離。真の課題解決へ導くためのマスタープラン策定。

基幹系システム導入計画を策定するため、まずその前提となる、業務改善ポイントの洗い出しと導入計画のマスタープランの策定を行った。

・業務分析フェーズ(2ヶ月)
経営層と本社及び4工場の現場キーマンに対して、現状の課題認識に関するヒアリングを実施し、課題リストを作成。さらに全部門に対して定量的な業務分析(BPEC)を実施。あるべき理想の姿(To-Be)と現状のGAP及び改善すべき主要課題を客観的に把握。

・マスタープラン策定~QW立上げ(3ヶ月)
業務分析の結果、To-Beと現状の乖離が大きいため、基幹系システム導入前に短期間で成果を創出する施策(Quick Win)として一部業務領域(資材、工場、技術、経理)について業務所管の見直し及び情報化ツール導入により、業務課題の解消を図るように軌道修正し、プロジェクト計画を策定。経営側の承認を以て、対象となる各部署でのQW活動を4月から本格化できるよう、活動立上げを行った。
お客様にとって本当に必要な施策を考えることが重要

お客様にとって本当に必要な施策を考えること、がプロジェクト成功のポイント

BTCでは、数多くの基幹系システム導入のノウハウがあったため、プロジェクト開始直後から、本件においていきなりERPを導入するのは現状との乖離が激しく、かなり難しいと考えていた。

このため、漫然とERP導入に向けた計画策定を行うのではなく、ERPを導入する準備段階としての情報化及び業務の標準化を先ず行うことの重要性や必要性について、早期の段階から経営層やキーマンへの働きかけを行った。

これにより、パッケージ導入という形式に固執することなく、真に意味のあるソリューションを見出し、それに投資することにご同意頂くことに成功した。
積極的なプロジェクトの推進力

キーマンを巻き込み、あるべき姿を共有していくことでプロジェクトが進む

業務分析フェーズでは、経営及び各業務部門に対し、Top-Down及びBottom-Up双方の視点でヒアリングを実施し、①業務の役割の見直し、整理、②業務ルールの見直し、明確化、③指示/報告/意思決定ルートの整理、明確化、という観点から業務の標準化を、ERP導入に先行させる必要性を説き、プロジェクトの進め方を適正化した。

一方で業務の標準化の為には、部門間で断絶している情報連携が必要不可欠であるため、一部領域への情報化ツールの導入をQW活動の一環として先行導入することを提案し予算を獲得。

当社が積極的にプロジェクトの推進力となることで、資材領域等では所管が曖昧だった業務を本来担当すべき部門への移管を早々に完遂し、会計領域では、担当の会計事務所が策定しえなかった改善方針を積極的に打ち出すことで、QWにおける改善方針にめどをつけることができた。

経営観点と現場視点双方を満たすソリューションを評価頂き、新たな領域のコンサルティングもご依頼頂ける関係へ

QW立上げ後は、情報化ツールの導入及び定着化、その有効活用方法の策定と展開等、1年にわたって担当者2名がユーザーと共に業務改善に取り組んだ。ユーザーと共に、同じ視点を持ちつつ、経営的な観点でも改善を考えていく当社のコンサルタントの姿勢を高く評価頂き、設計図面の電子化や購買ツールとの連動化等、新たな領域のコンサルテーションについてもご依頼頂くことができた。

QWで導入した情報化ツールは、その後も継続して拡張改善のご依頼を頂き、今ではM社の基幹システムとしてご活用いただいており、業務効率化の成果により、現有人員で業務の拡張にも対応できている。