PROJECT STORY
#03 プロジェクトストーリー

崖っぷちから
お客様の壮大な信頼

背景
マルチベンダーかつ数千億規模の巨大システム開発プロジェクトのプロジェクト管理を大手コンサルティングファームが支援するにことになり、プロジェクトのコアメンバーと協業経験のある当社に協業の依頼があった
特徴
業種: 物流
規模: 大規模
領域: プロジェクト管理
期間: 2013年11月~2016年3月 
ポイント
プロジェクト管理チームだけども100人近い巨大プロジェクトでは、先行リリース後、大きな問題が発生しておりプロジェクト運営を見直すタイミングとなっていた。 プロジェクトに参画後、早々に的確な情報収集を行い、課題抽出、解決のための進捗促進など、積極的に関わることで、お客様の信頼を得る事ができ、プロジェクト終了後もプロジェクト管理案件で継続的な協業関係を築くこととなった。
巨大プロジェクトに挑戦

巨大プロジェクトに挑戦する期待と不安

私が予算規模数千億円という大規模プロジェクトに関わったのは5年前のことです。
某大手システム開発会社系列のコンサルティングファームから、この巨大案件のプロジェクト管理チームのメンバーに誘って頂いた当初はプロジェクトの規模や知名度の高さ(日本中誰もが知っている企業の大規模システム開発プロジェクト)に、自分たちで対応できるのか不安がありましたが、自分なりに築き上げたプロジェクト管理の技術が巨大プロジェクトでも通用するのかを試してみたくて、清水の舞台から飛び降りる気持ちで参加することに決めました。

このプロジェクトは複数の業務システムの再構築を目的としており、国内の有名システムベンダーが10社ほど参画している超マルチベンダーの大規模プロジェクトで、プロジェクト管理チームも100人近い大所帯かつ複数のコンサルティング会社のメンバーで構成されていました。

そんな中、我々はPMOの中でも個々のシステムを担当し、各種プロジェクト管理ルールの適用を促すと同時に、進捗状況をウォッチしてマネージメント層に報告をあげる役割を担うこととなりました。
的確な情報取得で顧客の信頼を獲得した

的確な情報取得で早期に顧客の信頼を獲得

我々がプロジェクトに参画した当時は先行リリースで大きな問題が発生し、プロジェクト管理の運営を見直すタイミングであり、PMOの総元締めである大手企業が各種プロジェクト管理ルールを再整備しながらPMO体制も構築中という状況で、各システムを担当する我々の役割も明確ではなく、プロジェクトメンバー(お客様、システムベンダー共に)もPMOが自分たちの作業を手伝ってくれる仲間なのか、管理だけをする敵なのか分からず警戒心も大きかったため、プロジェクト参画当初は日々、何を拠り所にどう振舞えばよいか、暗中模索の状況でした。

プロジェクト参画当初、当社からの参加メンバーは私が当時最も信頼していた部下と私の2人で、巨大なPMO組織の中で非常に心細い思いをしたことを覚えています。

しかし、上記のような混沌とした状況で部下が必要な情報を適切に取得し、共有してくれたことで我々2人は情報の海におぼれることなく、個別システム担当のPMOとして比較的早期に担当システムのリーダーから信頼を獲得することが出来ました。
最も大事にしたのはプロジェクト管理の有用性を実感してもらうこと

早期的にお客様の評価を頂くために・・・

この当時の出来事で最も鮮明に記憶していることは、担当システムの課長に「1ヵ月以内に結果を出してくれなければ、あなた方は不要だ」といわれたことです。

お客様の納得する結果を出すもっとも簡単な方法はお客様の作業を手伝うことであり、お客様もそれを望んでいらっしゃいましたが、我々のミッションはあくまで管理であり統制であるので、お客様の作業の肩代わりをするわけにはいきません。プロジェクト管理の立場でお客様にご納得いただくには何をすればよいのか、非常に悩みました。そして悩んだ結果、我々がたどり着いた答えが「プロジェクト管理の有用性を実感してもらう」ということでした。

具体的には進捗の遅れや課題の蓄積など隠してしまいたいような問題を探し、関係者との調整、対策の場を用意し、解決を推進していくという活動でした。こうした活動を地道に続けることでお客様に「困ったことは積極的に相談しよう」と思っていただき、結果的にはプロジェクトの問題の種を早期にみつけることが出来ました。プロジェクト管理チームの中でのBTCメンバーの認知度が上がり、最終的にはフロント系のシステムの殆どをBTCメンバーが担当させて頂くに至りました。
厳しい言葉が、信頼へ変化

厳しい言葉が、信頼へ変化

このプロジェクトは無事にリリースを迎え現在でも安定的に稼動しているのですが、この実績により、この案件を紹介してくださったコンサルティング会社の信頼を勝ち取ることが出来、現在でも様々な案件でプロジェクト管理をお手伝いさせていただいています。

こうして継続的にプロジェクト管理の案件を受注できることで当社の中でもプロジェクト管理を得意とする仲間が徐々に増え、若手メンバーも大手コンサルティング会社との協業経験により着実に実力をつけている様子を目の当たりにするにつけ、不安に打ち勝って巨大プロジェクトに参加してよかったと実感しています。

最後に、「1ヵ月後以内に結果を出してくれなければ、あなた方は不要だ」」とおっしゃったお客様ですが、担当システムの一次リリースが終了し私が担当を離任することになった際、継続して担当して欲しいと上司の方に直訴してくださったそうです。時々こういうご褒美があるから、この仕事はやめられません。