ソリューション事例
商社物流(出荷)管理システム処理速度改善
Cases
お客様課題
大手商社では、大手食品メーカーの在庫管理、出荷関連業務のアウトソーシングを請け負うに当たり、独自システムを開発し、運用していたが、出荷実績関連処理のパフォーマンスが極端に悪く、当初想定の処理時間枠内に処理が完了せず、日次のメーカーへの出荷報告が行えず、メーカーの受注関連業務に重大な支障をきたしていた。
商社としては、これを早急に改善したいと考えていたが、システム開発を行ったベンダーはパフォーマンス改善のノウハウを保有しておらず、かつ当該システムには、出荷指示系等他機能領域も存在しており、パフォーマンス改善に伴ってそれらの機能に影響が出ることは、これ以上クライアントであるメーカー業務に支障をきたしかねず、どうしても回避する必要があったため、本番稼働中の他の機能に影響を与えず、特定領域のパフォーマンス改善だけを行うことが必要となっていた。
プロジェクト概要
パフォーマンス改善にあたっては、
(1)原因調査(問題個所の抽出)
(2)改善策の策定
(3)改善策による他機能への影響調査
(4)改善策テスト及び効果測定
(5)改善策の本番適用
(6)効果測定
(7)パフォーマンス改善施策にかかる結果報告
という手順で行った。
プロジェクト規模
予算:約200万 (プロジェクト全体は数十億)
体制(人数)
・プロジェクト全体人数:約100名
・当社参画人数:2名
弊社役割と成果
パフォーマンスチューニングのプロフェッショナルとして、改善施策のためのマスタープランの策定から、具体的原因調査の実施、改善策の策定及び実施、効果測定、報告の全てを担当した。
【成果】
パフォーマンス改善施策前は、4バッチ処理で合計7000件/日処理に2時間以上を要していたが、表領域設定(サイズ及びエクステント)の適正見積による設定変更及び索引の見直しにより、処理時間を1/4に短縮することに成功した。
パフォーマンス改善に当たっては、対象機能1015オブジェクトにおけるSQLの発行状況を網羅的に調査し、処理速度的に問題があると思われる箇所を特定。対策を検討した。
対策の適用に当たっては、疑似環境を用いて他機能領域への影響が発生しないことや、通常の3倍程度の件数を処理する高負荷試験も実施し、当該改善施策を施すことで、将来にわたっても当該箇所に問題が発生しないことを確認した。
これらの施策内容については、システムの専門家ではないメーカーのキーマンにもご理解いただける平易な説明と客観的な数値情報等を用いて結果報告書を作成し提示することにより、商社の顧客信頼回復の一助となることができた。